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利用者から本音を聞き出す難しさ②

2015.05.24 10:53|介護 福祉
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
久しぶりの投稿です。なかなか時間が取れず、投稿できなくて申し訳ございませんでした。

新緑がまぶしい季節になってきましたね。福岡市の近郊に公園がありますがトトロが福祉施設に努めていたころ、デイサービスでお弁当をもって入所者皆さんでで出かけたのを覚えています。

では今回も本題に入りましょう。

前回はアセスメントで利用者の本音を聞き出すむずかしさについて民さんと一緒に考えてきました。
今回もその件について、投稿して行きたいと思います。

前回はデイサービスについて書きましたが、前回のケースは典型的な例だと思います。

昨年、アセスメントの件で大手介護専門雑誌に執筆した記事を以下に抜粋させていただきます。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

◆介護サービスを利用するに当たってのサービス利用者家族の本音(体験談)
 アセスメントの情報収集で利用者の本音を聞き出すことが対人援助スキルと大いに関係があることを述べてきました。
実は私の妻は16年間、パーキンソン病のお母様を介護していた経験があります。
その体験談を以下に載せておきますので、利用者の本音を知る為にも、アセスメントの参考にしていただきたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
母が亡くなって六年になります。
私は母がパーキンソン病を発症し、看取るまで約十六年間介護生活を送りました。
大部分が、病院や施設の利用でしたが、在宅で看ていたこともありました。
母は要介護4の半寝たきり状態でした。病院の入退院の繰り返しで、妄想も併発していたこと、また食事を受け付けないことから、医師の施設への入所の勧めを断り、在宅で、とにかく「体力が人並みになる」まで、介護サービスを利用して頑張ろうと決めて、万全の態勢で臨みました。

しかし当時は親戚一同助けを求める状況ではなく、兄弟も遠方でしたので、私が24時間母を看なければいけませんでした。しかし、最初のころはなんとかなっていたのですがさすがに疲れがたまり、母のささいな言動に八つ当たりをしては、泣いて謝るような状況になってしまいました。

これでは危ないと思い、「ショートステイ」を利用しようと思って担当のケアマネさんに相談しました。
「少し休みたいので、ショートステイを利用したいんです。どこかいいところはありませんか?」
私は精一杯、HELPの気持ちを込めて言ったつもりでした。
しかしケアマネさんは
「これがリストです。実際、見てみないとわかりませんからどこか知っているところに行かれたら?」
こういうと、膨大なリスト、いわゆる「施設名、電話番号、住所」が書かれたものを微笑みながらさしだしたのです。
「うちはこのような状態です。母は動けない状態です。私一人が介護をしている・・」
ケアマネさんは言葉を遮り「個人情報ですから、こちらもこうするしかないんです。では、できるだけ早くお願いしますね」
こう言って帰っていってしましました。

親戚も「危篤状態」の身内を抱えていて、相談しても「お医者さんに聞いたら?」と言われるばかりです。
何のために介護サービスを利用しているのだろう・・。カイゴサービスなんて、言葉だけではないか!
ケアマネさんに対する不信、自分に対する自責の念。
ないまぜになりついには、母と心中してしまうのではないか、それなら私が死ねば、誰か母を助けてくれるかもしれない・・と思い詰め、私は、自殺しようとしましたが未遂に終わったのです。

助かった私は、当のケアマネさんの献身的な手配りのおかげで、母の施設入居がなんとかできたことなど、さんざん「お礼をいいたりないくらいだ」と言われ、逆に施設に早く入れればよかったのに、と責められました。

私が、なぜ、命を絶つまで追い詰められたのか、俗にいう「介護地獄」に陥った気持ちを問う親戚は少なかったです。
個人情報とはいえ、せめて地図があり、家の周囲にどこがあるか、それくらいの手助けがあれば、母が寝ている間など、どうこうすることもできたのかもしれません。
というより、「命を絶つ」ということには、発展しなかったかもしれません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆傾聴と対人援助スキルについて

 今まで何度も対人援助スキルがアセスメントで必要なことを述べてきました。
 対人援助スキルの重要性は図に示した通りです。(図10)

ここでは介護者に求められる対人援助の基本的態度を見ていきましょう。2)

(1)自己覚知 (自分自身を知ること)
より良い人間関係を気づくためには、相手のことをよく知るとともに自分も知ることが重要ときます。
この自分のことを知ることを自己覚知です。
相手を理解しようとするとき、介護者の目が曇っていれば、現実を正しく理解することはできません。

(2)傾聴とは
利用者の話を聞くだけでなく、声なき声を聴く、いわゆる心の声に耳を傾けることであり、それは利用者の経験、想像、感情、物の見方を総合的に聞くことです。

(3)共感とは
利用者の示す感情表現や、表出しない感情にも心を寄せ、その思いを共有することです。
利用者の思いを感じ、受け止めるという共感のためには、利用者がどのように感じているかを知ることが必要
です。
共感によりお互いの信頼関係が生まれ仲間意識が芽生えることになるのです。また共感により要介護者の苦悩や苦痛が軽減され、要介護者の支えになることができるのです。

(4)落ち着いた態度で接する
  業務に追われ、あわただしく動き回っていると、周囲の人は声をかけにくくなり、話したいことがあっても我慢してしまうばかりか他の人を探し始める。業務に一生懸命になるばかりに周りに注意が向かないままでいると結果として周囲から孤立してしまうこともあります。常に心に余裕を持ち落ち着きのある態度が必要です。

(5)自分の表情に気を付ける
   笑顔は相手に安心感と信頼感を与えます。 
このことはコミュニケーションにおいて自然な笑顔が基本となります。悲しい表情には悲しげな表情を、 笑顔には笑顔で聴くことが大切です。

(6)言葉づかいに気を付ける
言葉遣いは相手に不快な思いをさせない為に必要です。
  ポイントは以下の通りです。
 聴き手が聴き取りやすいように、ゆっくり明瞭に伝える
 分かりやすく簡潔に、理解できているか確認しながら
 語尾に注意する。省略したり、語尾を上げたり伸ばしたりしない
 慣れ慣れし過ぎたり、逆に丁寧過ぎない
 専門用語を極力使わない

(1)~(6)は説明責任(=アカウントビリティ)にも大いに関係があります。アセスメントの情報収集の時間短縮のポイントになるだけでなく、リスクマネジメント(危機管理)にもつながるのです。

傾聴と対人援助スキルについて何をいまさら分かりきったことを、と反発される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この膨大な業務の中で対人援助スキルを実践させることは容易なことではないのです。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
皆さんはこの記事を読んでどう思われたでしょうか。

次回もこの件について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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1968年六月生まれ
倉敷市出身、現在は福岡市在住。
妻(あすか)と娘たち(猫二匹)と暮らしています。
高齢者福祉にたずさわって十六年になります。
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