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認知症利用者を抱える家族の気持ちについて④

2014.10.26 16:58|介護 福祉
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
毎回のことですが、1日のうち気温の変動佐賀とても激しいです。体調管理は大丈夫ですか。

東京では日中12度になったとか。いったいどうなっているのでしょうか。
気球が悲鳴を上げているんでしょう。
お年寄りにはきついと思います。

お決まりのセリフになりますが、体調管理には十分注意してください。

さて、今回も本題とまいりましょう。

前回は実際にパーキンソン病を抱えていた家族の本音を書いた体験談をご紹介してきました。
今回も、家族の気持ちを書いた体験談をご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介する体験談は、特に介護専門職(介護職、ケアマネージャー)の方々に読んでいただきたい文章です。
何気ない一言が、家族を傷つけていることに気がついているだろうか

専門職として認知症の人の家族と接するとき、助言や指導をしなければならないと考えていませんか?
相手が求めていないのに指導的に接しすぎると、家族は「この人はうちの現状を分かっていない」と感じ、下手なことは言わないようにしようという態度になるのではないでしょうか。こちらはちょっとしたアドバイスを伝えるつもりであっても、葛藤を抱えながらギリギリのところで頑張っている家族には、重くのしかかることばになります。

80歳代の母を介護する60歳代の女性(Aさん)は、隣町にあるスーパーに管理的な立場で勤めでいました。
母親の認知症が進行し、出かけるたびに警察に保護されるようになったときのことです。

警察で
「仕事が忙いといっても、家族なんだからきちんと見なくてはいけない。介護放棄になりますよ」
と忠告されたそうです。
Aさんはそのことばに傷つき、ケアマネジャーに伝えたところ、ケアマネジャーは「確かに警察に保護されることが増えてきましたね。ご本人もデイサービスから帰ってからの時間が長くて幸いのでしょう。
ところで、デイサービスの時間に合わせで勤務を変えることはできないんですか?」と聞いたそうです。

このことばには、認知症の人を思いやる気持ちが前面に現れていて、家族の立場は二の次になっています。

体力的にも精神的にもギリギリのところで頑張っている家族にとっては、このような微妙なニュアンスを含む言葉が、激しく心に突き刺さることがあります。
Aさんは、「警察のことばに追い詰められてケアマネジャーに相談したのに、かえって崖から落とされたような気持ちになった」と語っていました。

何気ない言葉で家族を追い詰めると、認知症の人との関係性が悪化する

社会的にも認知症の人の意思を尊重する傾向が高まっています。
しかし一方で、介護が必要な人を重視しすぎて、家族の負担が増しているというケースも増えてくるようになりました。
介護が必要な人の意思を優先するのは大切なことですが、そちらばかりが優先されて家族の負担がさらに増せば、家族のイライラは最終的には介護が必要な人にぶつけられることを知る必要があります。

認知症の人にとって身近な人との関係性は最も重要な要素です。
在宅で生活している人の場合は、特に専門職が関わらない時間の方が長いのです。
Aさんのように様々な関係機関で傷つけられれば、どうしてもその苛立ちは認知症の人に向かってしまいます。


実際に、ケアマネジャーのセリフを何度も思い出してしまい、『勤務を変えるって言ったって、パートから頑張りやっと安定した仕事を手に入れたのに…』と思い、たびたび苛立ちをつのらせたそうです。

そして、自分がせっかく作った食事を母親が床に吐き出したときに、「いい加減にしてよ!なんで私ぽっかり責められないといけないのよ!」と怒鳴って家を飛び出し、暗くなるまで戻らなかったそうです。
結局、また母親が家から出かけて警察に保護されてはいけないと思って自宅に戻ったとき、母親はソファーですやすや眠っていて、その寝顔を見ながらしばらく1人で泣いたそうです。

Aさんは怒りながらも自分の感情を制御していますが、場合によっては虐待にもつながり得ることを知らなければなりません。高齢者虐待の要因として、認知症の存在が指摘されています。介護者家族の精神的な苛立ちが高まることによって、虐待が引き起こされる可能性を意識する必要があります。


引用文献 伊東 美緒 認知症の方の想いを探る 介護労働安定センター

いかがでしたでしょうか。

認知症を抱える家族の気持ちがダイレクトに表れています。

このように、介護に携わっている家族にとって第三者の何気ない一言が家族にとってはグサッとくるのです。
それだけ、家族の方は精神的にいっぱいいっぱいになって人一倍敏感になっていることが上記の文章でお分かりになっていただけたかと思います。

次回も認知症利用者を抱える気持ちについて考えていきたいと思います。


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認知症家族を抱える家族の気持ちについて③

2014.10.19 10:36|介護 福祉
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

福岡はここ最近晴天です。と言うかちょっと暑い。でも夜は上着がないと寒いです。
こう気候の変動が激しいと長袖でいいのか、半袖でいいのか・・・わかりません。
皆さんも体調管理には十分注意してくださいね。

それでは今回も本題とまいりましょう。
前回までは認知症を抱える家族の気持ちとしてトトロの体験談を投稿してきました。

さて今回は認知症を抱える家族のち持ちとして複雑な心境について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

以下の文章は実際にパーキンソン病を抱えていた家族の本音を書いた体験談です。過激な表現が所所に出てきますが、最後まで読んでいただけたらと思います。
母が亡くなって六年になります。

私は母がパーキンソン病を発症し、看取るまで約十六年間介護生活を送りました。
大部分が、病院や施設の利用でしたが、在宅で看ていたこともありました。

母は要介護4の半寝たきり状態でした。
病院の入退院の繰り返しで、妄想も併発していたこと、また食事を受け付けないことから、医師の施設への入所の勧めを断り、在宅で、とにかく「体力が人並みになる」まで、介護サービスを利用して頑張ろうと決めて、万全の態勢で臨みました。

しかし当時は親戚一同助けを求める状況ではなく、兄弟も遠方でしたので、私が24時間母を看なければいけませんでした。しかし、最初のころはなんとかなっていたのですがさすがに疲れがたまり、母のささいな言動に八つ当たりをしては、泣いて謝るような状況になってしまいました。

これでは危ないと思い、「ショートステイ」を利用しようと思って担当のケアマネさんに相談しました。
「少し休みたいので、ショートステイを利用したいんです。どこかいいところはありませんか?」
私は精一杯、HELPの気持ちを込めて言ったつもりでした。

しかしケアマネさんは
「これがリストです。実際、見てみないとわかりませんからどこか知っているところに行かれたら?」
こういうと、膨大なリスト、いわゆる「施設名、電話番号、住所」が書かれたものを微笑みながらさしだしたのです。
「うちはこのような状態です。母は動けない状態です。私一人が介護をしている・・」
ケアマネさんは言葉を遮り「個人情報ですから、こちらもこうするしかないんです。では、できるだけ早くお願いしますね」
こう言って帰っていってしましました。

親戚も「危篤状態」の身内を抱えていて、相談しても「お医者さんに聞いたら?」と言われるばかりです。
何のために介護サービスを利用しているのだろう・・。カイゴサービスなんて、言葉だけではないか!
ケアマネさんに対する不信、自分に対する自責の念。
ないまぜになりついには、母と心中してしまうのではないか、それなら私が死ねば、誰か母を助けてくれるかもしれない・・と思い詰め、私は、自殺しようとしましたが未遂に終わったのです。

助かった私は、当のケアマネさんの献身的な手配りのおかげで、母の施設入居がなんとかできたことなど、さんざん「お礼をいいたりないくらいだ」と言われ、逆に施設に早く入れればよかったのに、と責められました。

私が、なぜ、命を絶つまで追い詰められたのか、俗にいう「介護地獄」に陥った気持ちを問う親戚は少なかったです。
個人情報とはいえ、せめて地図があり、家の周囲にどこがあるか、それくらいの手助けがあれば、母が寝ている間など、どうこうすることもできたのかもしれません。
というより、「命を絶つ」ということには、発展しなかったかもしれません。

いかがでしたでしょうか。
今回の体験談はパーキンソン病でしたが、認知症を抱える家族の気持ちも一緒ではないでしょうか。

家族の方々は、もう精神的に限界なのです。この一言に尽きます!
その時に、何気ない一言が、最悪の場合一家心中に追い込まれてしまうのです。

ここ最近ニュースになっている老老介護も介護をしている家族はまさに体験談に書いたような気持だったのではないでしょうか。

本人としては、認知症本人を施設に入れるなどしないと共倒れになってしまう、そのことはわかっています。
でも回り(親戚、親族)の理解がないがためにさらに理不尽なことに追い込まれてしまいます。

次回も認知症を抱えた家族の気持ちについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います。


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認知症高齢者を抱える家族のち持ちについて②

2014.10.12 10:37|介護 福祉
おはようございます。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

猛烈な台風が近づいています。最大風速45メートルだとか。
福岡は台風の進路からかなり離れていますがそれでも明日の昼過ぎから暴風圏内に入るそうです。
今回は速度が遅く、沖縄の方々には大変だと思います。

今回の台風は本州縦断と言うことなので皆さん、十分に警戒してください。


それでは今回も本題に参りましょう。

前回は、認知症高齢者を抱える家族の気持ちとしてトトロの体験談を投稿してきました。
今回もその続きから進めていきたいと思います。


病院から帰ってトトロはリビングでパンフレットを開いていました。
病院からバスに乗って帰り、リビングで病院のパンフレットを開くところから記憶がよみがえってくるのです。

それまでの記憶は17年たった今でも全く思い出すことができません。

当時、トトロは大手の個別指導の学習塾に専門講師として講義と教務をしていました。
翌日上司にそのことを言ってたら自然と涙がボロボロ出てきたのです。

今考えてみると、その時やっと、現実を受け入れることができたのだと思います。
そしてどうしていいかわからなくなって、パニックになって自然と涙がボロボロ出てきたのでしょう。

涙を流すと内に秘めていた荷物が取れたように心が軽くなったのを覚えています。

その後、母は主治医の言う通り3か月後にはこの世を去りました。

今考えてみると、勤務先の上司に相談したことで、母の死を受け入れることができ、その後の自分の人生の方向性を決めたのだと思っています。

ただトトロには兄がいましたが、兄は母が死ぬという現実が受け入れる箏ができなかったのでしょう、絶えずトトロにはけ口を放っていました。
兄もはじめまさか母が死ぬとは想像できなかったと思います。そしてその悩みを誰にも打ち明けることができなかったのです。
その悩みをトトロにはけ口を吐くことで自分を落ち着かせていたんだと思います。
それは母が死ぬまで続いていたと思います。

トトロも普段は我慢していましたが、時折我慢できず爆発することも幾度となくありました。

以上がトトロが体験した出来事です。

いかがでしたでしょうか。
主治医から、予期せぬことを告げられた時、大体こういう経緯をたどるのではないでしょうか。

①戸惑い・否定
②混乱・怒り・拒絶
③あきらめ、割り切り
④受容

まさにトトロもこの過程を体験したのです。

いかがでしたでしょうか。
少しは皆さんに来揺れ動く家族の気持ちがお伝えできたでしょうか。

次回は、認知症の高齢者を抱える揺れ動く家族の気持ちをお伝えして行きたいと思います。

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認知症高齢者を抱える家族の気持ちについて①

2014.10.04 12:27|介護 福祉
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。朝夕はすっかり涼しくなりましたね。

ニュースでご存知の方もいらっしゃいますが、御嶽山が大噴火しました。
戦後の噴火では最悪の事故だとか・・・・
お悔やみ申し上げます。

さて、前回までは家族の信頼のためにどういう対策をしていったらいいかについて投稿してきました。
今回からは認知症利用者を抱える家族の気持ちと認知症になった本人の気持ちについて考えていきたいと思います。

みなさん、突然主治医から、認知症だと告知されたらどう気持ちになるでしょうか。

以下は、トトロが、介護専門職向けに開催しているセミナーレジュメからの抜粋です。

①戸惑い・否定
認知症の人を異常と思える言動・間遠い・否定しないようとする。悩みを他の肉親すら打ち明けられないで一人で悩む時期

②混乱・怒り・拒絶
認知症の理解が十分でないことが原因で、家族が混乱して小さいことにも感情をあらわにする兆候が見られる。精神的、肉体的に疲労し、認知症の人を拒絶するなど、家族になって一番つらい時期

③あきらめ、割り切り
家族が自分の感情をコントロールし始める。怒ること、悩むことの無駄を感じ始め、割り切る様になる。あきらめの境地とも言える。同じ認知症の症状でも、問題性は比較的軽くなる。

④受容
知症に対する理解が深まって認知症の人の心理状態が自分自身で消化できるようになる。在るがままのその人を家族の一員として受け入れることが出来る。
利用者の家族としては大体以上に示した順に動いていきます・

このことに関してトトロの体験談を書きましょう。
これば認知症ではありませんが、トトロの母ががんの宣告をされた時の体験談です。

ある朝、母が背中がすごい痛い!と言ってきたのです。しかも脂汗をたらたら流していました。
母は少々のことでは、そういうことは言いません。

実は、2,3日前にも背中が痛いということがありましたが、少し痛い程度ですぐ痛みは治まったそうです。

これは何かがおかしい、近くの診療所に駆けつけました。そこで言われたことは・・・・
総合病院を紹介するから、すぐそこに行って検査してもらいなさい!
という箏で痛み止めの注射をしてもらったのです。

早速、トトロと母の2人で病院に行き検査してもらいました。

その後、看護婦さんから
息子さん(トトロのこと)だけにお話をしたいのでちょっと後でカンファレンス室に来てください
と言われたのです。

そこで主治医の方からこういうことを言われました。

「実はお母様は胆嚢と言う臓器にがんができていて、あちこち転移しています。
もう手の施しようがありません。もってあと3か月でしょう」

初めトトロはぽか~んとしていて、
なにこのひと言っているんだ、母はあんなにぴんぴんしているのに。このやぶ医者が・・・・
あ、そうかこれはサスペンスドラマの告知シーンの撮影なのか?

そう思ったのを今でも鮮明に覚えています。
まるで、目の目が真っ白になった気分でした。

母はその日のうちに入院になりました。

トトロは夕方病院からバスで自宅に向かうことになったのですが
バスを待っている瞬間、

このまま、どこかに行こうかな~
自分はもうどうなってもいいわ・・・・
どうせ、母がいなくなるんだから自分も死のうかな・・・・

と半分、投げやりになりながらバスを待っていたのを覚えています。

そして、バスで自宅へ向かっていたのでしょう。
バスに乗っていた記憶はありません。
思い出すのは、家に帰ってリビングで病院のパンフレットを見て多ことです。
それまでのことは今でも思い出せません。

人間は、あまりにもショッキングなことがあった場合は、涙を流さないし、そのことを記憶から消し去ると言われています。

トトロはまさにこの箏を人生で初めて経験したのです。

この続きは次回に譲ることにしましょう。そしてトトロの体験談と認知症の高齢者を抱える家族の気持ちに関連づけて考えていきたいと思います。



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Author:トトロ氏
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1968年六月生まれ
倉敷市出身、現在は福岡市在住。
妻(あすか)と娘たち(猫二匹)と暮らしています。
高齢者福祉にたずさわって十六年になります。
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