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夕焼け~祖母の思い出~

2013.10.27 10:07|あすかの小部屋
皆さん、おはようございます。


すっかり、秋めいてきましたね。台風一過とはこういうことを言うのでしょうか。
こういう気候だと家にいるのがもったいないです。どこか出かけたい気分になります。

それでは今回も、本題に入っていきましょう。


ひさしぶりに、今回は「あすかの小部屋」のコーナーをお届けします。


私事になりますが、私の祖母はいわゆる「鬼婆」として近所では有名でした。

子供も嫌いで、まだ私が赤ん坊のころ、母が祖母に面倒をみてもらう、ということで外出して帰ってきたら、泣いている赤子の私を無視して、TVを笑って見ていたということがあったそうです。

でもその気性の強さは、皮肉にも私の中にもあったようで、少し大きくなると、テレビのチャンネルをめぐって、祖母と対等に喧嘩をしていました。


そんな私を母はまずいと思ったのでしょう。
ある日別の部屋に私をよんで諭しました。

「おばあちゃんに、好きなTVを見せてあげなさい。おばあちゃんは、年寄りだから、すぐ死んでもおかしくないの。あんたは、これから大きくなるんだからどれだけでもTVは見れるでしょう?ゆずってあげなさい。」



そのときだったとおもいます。

普通に祖母と暮らしているけれど、年寄りにとっては毎日がかけがえもなくとっても大切なんだ、という気持ちになったのは。

祖母との面白い?思い出はまだまだありますが、この辺でおしまいにします(笑)。


福岡でも木々が色づき始めています。

読書の秋、芸術の秋、食欲の秋?ということで今回は詩人の谷川俊太郎さんの詩をご紹介します。
じっくり味わってみてください。

                夕焼け

家に年寄りがいるのはいいことだ


あかんぼがいるのと同じくらいいいことだ


ふたつは似ても似つかないようのことのようでいて実は一本のあざなえる縄の両端のようにそっくり


始まりがあって終わりがあるから始まりもなく終わりもないものが見えてくる


その縄を輪っかにつなげてそこからさしからに人生をのぞくのはやめておこう


百年の長さもつ縄のよじれねじれささくれ


神様ではないのだからぼくらはロバのように縄を噛む


甘い恋

しょっぱい子育て

苦い戦争

酸っぱい革命


人生をたらふく食ったあなたの顔は優しさと厳しさとあきらめとしたたかさがまじり合い


しわの間にあかんぼの輝く無垢も透けて見える


もういいかい


もういいよ


けれどあなたは目をつむったまま木のうしろに隠れて月日を数えていたわけじゃない


百年のその一日一日をいろどったのは青空と米と野菜といさかいと歌のとりどりの色


怒るがいい泣くがいい


叫ぶがいい黙り込むがいい


ひとりのあなたの魂の底にひそむものは世界中のどんな大事件より巨大だ



だが今あなたの顔に浮かぶのは残り少ない未来にむかう静かな微笑み



それはあなたの今日をぼくらの明日に生かすためのただひとつの贈り物



限りない宇宙の闇へと燃え上がる美しい夕焼け                    



                                「真っ白でいるよりも」より 谷川俊太郎






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老老介護と介護保険⑤

2013.10.20 10:56|介護 福祉
みなさん、おはようございます。

このところやっと涼しくなってきましたね。いかすがお過ごしでしょうか。

先日の台風26号ですが、伊豆大島では土石流で多くの死者が出たことはみなさんもご承知のことだと思います。
被害にあわれた方、お悔やみ申し上げます。

すでに台風27号が日本に近づいており、前回と同じ被害が出ないことを祈るのみです。



さて今回も、本題とまいりましょう。


今回も前回の続きで老老介護に関して進めていきたいと思います。

老老介護に関して、介護保険の利用者の立場からあすかに語っていただきます。


老老介護、介護保険の見えない壁~利用者としての視点から(あすか)

トトロ氏がとりあげたように、現在老老介護の問題や、介護保険を利用しない家族が問題視されています。


私は介護保険制度ができて二年後にその制度を母の担当医ら検討しておいたほうがよい、と言われた経験があります。


母を介護するのは主に娘の私でしたので、家事などは娘の私で事足りていました。
ヘルパーに来てもらった方がよいのか?まだ元気だった母と何度も検討したのですが

「どんな方か分からないのに、家に来られて、家の事情などをたとえ守秘義務があったとしても、見えないところで話題にされるのではないか」

母はこの点で安心感が持てないようでした。
また当時、私が働かなくても経済的に困らなかったこともあり、娘の私にはなんでも言えるから、ヘルパーは必要ないと思っていたようです。


それで「福祉用具を借りるサービス」「デイ・サービス」「訪問介護」「介護タクシーの利用」
まずそれらを検討して導入していきました。当時は計画通りにすべてまわるだろうと思ったのですが・・


予定時間を大幅に過ぎても担当医がいつもこない現実。
母の急な状態の変化に、「計画通り」の介護タクシーは使えない不便さ。
それでやむなく「普通のタクシー代」を使って頼み込んで病院にかけこんだこともありました。

母は眼もわずらっていましたので「訪問の眼科のサービス」も受けていたのですが、看護師の処置悪いらしく、かなり負担になっていたので、そのサービスをやむなく取りやめることにもなってしまいました。


しかし母のストレスは軽減したので、娘の私の負担は増えるけれど辛そうな母を見るよりはましだ、と無理やり、疲れる自分に納得させていたと記憶しています。

ケアマネさんも、表と裏があるくせのある方でした。

「母をどこかで預かってほしいのだけど、介護は私ひとりなのでどの施設がよいか回る時間もないし分からないので、せめて評判を教えてください」と頼んだところ、返ってきたのは「施設の住所と連絡先」の紙でした。

「やはり娘さんが実際に問い合わせてみてください」と。

ただでさえ母の事や日々の雑事で時間が足りない状態なのに、どうやって施設を回ればよいのか、膨大な紙をみて途方に暮れてしまいました。

やむなく親戚に連絡を入れて相談すると「うちは病院から紹介されてつかっているのでよくわからない」親戚も介護に疲れているのでそれでおしまい。

誰かのお世話になれとみないうけれど結局どれが一番良い方法なのか、誰にも相談できず
(唯一の身内の弟は他県在住)
だんだん病状が重くなる母をかかえて、当時の私は、何がなんだかわからなくなってしまいました。



老老介護になったり、介護保険を利用しない方は、必ずどこかで「不信感」を持つであろう、出来事に遭遇されておられるのではないか、と感じています。
それが利用者しか分からない見えない壁です。

そして、日本人特有の「人様にお世話になるのは嫌だ。恥だ」という価値観もあると思います。
母もご近所に、「パーキンソン病、とは絶対に言うな」と私に厳命していました。

では、どうすればよいのか、ですが、利用者としての体験からいわせていただくなら、

・「信頼」できる、
・「安心して相談」できる、
・「的確にアドバイス」できる

この三拍子揃った人材が、どこの地区でも最低一人はいる必要があると思います。
そしてその人材を育てていくのも同時に急務だと感じています。




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老老介護と介護保険④

2013.10.06 10:33|介護 福祉
皆さん、おはようございます。

最近、朝、夕めっきり涼しくなってきましたね。東京では朝、夕の気温差が10℃近くあるとか。
でもまだまだ、昼間は暑い日が続いています。

考えてみればもう10月。例年だともう長袖で十分なのですが・・・・こちら福岡では皆さんまだまだ半袖で過ごしておられる方が多いようです。



それでは今回も、本題に参りましょう。

前回まで老老介護について考えてきました。

今回は前回記載したニュース記事から老老介護についての現実、問題点、老老介護の怖い点について考えていきたいと思います。


老老介護の現実

医療が発達し、平均寿命が年々伸びています。それに伴い介護が必要となる人口も増え続けているのです。
若い人は家族の介護を嫌がる傾向にあり、高齢者が高齢者を介護する老老介護が急増しています。
家族を介護するのは当たり前、世間体があるから介護をするという考え方の人も多いようです。

厚生労働省の07年国民生活基礎調査によると

・65歳以上の高齢者が高齢者を介護するいわゆる「老老介護」の割合が、親族が同居して在宅介護を行っている世 帯の推計47.6%に上ることが分かった。

・介護する側が60歳以上のケースに広げると、04年の前回調査の55.9%から59.1%に上昇した。
 同省は「在宅での介護の担い手の高齢化と、世帯の小規模化が進んでいるのではないか」とみている。
とのこと。


問題点

老老介護には高齢同士のため、身体への負担が大きいという他にも大きな問題点があります。

老老介護では認知症による介護が多いのですが、認知症は他人を受け付けない傾向が強いためどうしても家族間の介護が必要となります。

高齢者が高齢者を介護するだけでも大きな負担となってしまいますが、認知症の場合、お互いが認知症を抱えることも多いのです。


老老介護では、認知症のための介護をしているうちに、要介護者が亡くなってしまい、死を受け入れることが出来ずに遺体と生活を続けたり、認知症が急激に進んだりすることもあるのです。

やっかいなことに本人が認知症と気付いていないことが多いのです。


老老介護の問題点は、認知症という点だけではありません。
老老介護は一人で抱え込むケースが多いので、ストレスが溜まりやすくストレスに負けてしまうことも多いのです。

老老介護のストレスが原因となり、暴力を振るってしまうことも多いのです。
心身ともに疲れ果ててしまい、暴力を頻繁に振るうようになってしまうのです。

老老介護での暴力は本人が通報することはほとんどありません。まわりの人が気付かない限り永遠に続くとも言えるのです。

暴力を振るっているうちに殺害してしまうこともあるのです。

高齢者らの在宅看護を担う65歳以上の介護者の約3割が「死んでしまいたい」と感じたことがあると答えているアンケートにもあるように老老介護にはストレスがつきものです。

多くの老介護者は「終わりが見えないというのが大きなストレス」といいます。



老老介護の怖い点


老老介護の怖い点は、共倒れも考えられるということです。
介護は実際に行なってみないと大変さが分からないかもしれませんが、大きな不安と孤独感を抱えながら介護をしている人も多いのです。

夜中に何度も寝る姿勢を変えてあげたり、排尿の手助けをしてあげなくてはなりません。
老老介護では世話をしているうちに、自分も腰を痛めたり怪我をしたり、病気になってしまうことも少なくないのです。

お風呂やトイレの介護はプロでも大変とされていますが、一人で頑張りすぎてしまい、怪我をして介護が続けられなくなったり、動けなくなり共倒れという最悪の事態に陥ることもあるのです。


最も老老介護の怖い点は、心の健康も脅かされる心配があることです。


日々の肉体的介護負担に加え、被介護者のストレス、それに対する両者の葛藤、金銭的問題、何より将来が不安一色であることは、それだけで心の健康を脅かす要因です。心の健康が失われると連動するように身体への異常も出てきます。

また、両者の関係も悪化してしまいます。

このように、主介護者の心身の健康が失われるとそれがダイレクトに要介護者の生活に直結してしまい、二人揃って共倒れになる、これが老老介護の一番怖い点です。



いかがでしたでしょうか。

次回は、実際に介護経験をしたあすか(妻)の体験談を取り上げていきたいと思います。



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Author:トトロ氏
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1968年六月生まれ
倉敷市出身、現在は福岡市在住。
妻(あすか)と娘たち(猫二匹)と暮らしています。
高齢者福祉にたずさわって十六年になります。
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