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利用者からみた福祉の現場

2013.04.20 18:37|福祉の現場
今回もあすかがお届けします。

利用者からみた、福祉の現場、ですが、みなさんは「福祉の現場」について
どんなイメージをもっておられるでしょうか?

「終の棲家」?それとも「シニアマンション型の施設」?あるいはマイナスイメージとして「姥捨て山」?

私ごとですが、パーキンソンを患っていた母はずっと某病院の「療養型病棟」に入院していました。

周囲は寝たきりのお年寄りばかりです。蛍光灯が晴れの日も雨の日もともされていて、季節を
感じることもできません。でも当時、世話をする身内からすると「母の容体が一番落ち着いている病院」だったそうです。

薬の副作用で、妄想の中にいた母は「出たい」気持ちがすごく強くて何度も電話してきていました。

確かにいい環境とはいいがたい。普通の神経でも?と思うところがあったので、そうなら環境を変えてあげようと思い、周囲を説得して「介護付き有料老人ホーム」に母をひっこしさせました。

個室で、田舎だったので緑の中をゆっくり散歩もできます。都心からやや遠いですが、スタッフのみなさんの誠実な熱意を感じたのが理由でした。
ただ、いざ、中に入ってみると、色々なことが分かってきました。

日曜日、母のお見舞いに行ったときのことです。事務長さんが、洗濯物をかかえて走り回っています。

リネン関係は、ヘルパーさんの仕事ではないのかな?事務長さんも雑用をするんだ・・
利用者はそんなにいないのに・・。とても違和感を感じたのを覚えています。

おいしい食事が自慢だった施設でしたが、突然料理長が辞めたそうで、社長(女性)や女性スタッフが料理をつくっていたりしている状態もありました。入居者の病院への送迎も、事務も看護師もヘルパーも関係ありません。
あいている方がなさっているようでした。

私が抱いていた分業制で的確にまわっていた、というイメージは見事にふっとんでしまいました。

それから毎回月一で、介護計画書に、ハンコを押さなければいけないのですが、母を細かいところまで看護師が観察しているようですが、「膨大」なので今の状態が結局どうなのか、月一ではすぐに掴めるはずもなく、
結局だーっと機械的に押して「ありがとうございました」と頭をさげるしかありません。
実際はスタッフのひまをみつけて「どうなんでしょう?」と聞く状態でした。

それからスタッフからこういわれたこともあります

「おかあさまは、朝着る洋服をなかなか決められず、ふつうの人より二倍時間をとっています」

笑顔でいわれたものの、「ありがとうございます」と言うべきか、「申し訳ありません。本人にきつく短くするように言います」と言うべきなのか・・正直「そうですか・・・」というしかありませんでした。


母は入居して半年後、胃がんで他界したので、滞在は短かったのですが、亡くなってしばらくたってお礼に夫婦で
施設に出かけたのですが、入り口で話していて、結局それでおしまい。

病院の母担当だったパーキンソンの忙しい先生でも深々と頭をさげられ、母のために黙とうされたのです。入居者が亡くなったのです。普通の感覚なら談話室に通すべきなのではないかと思われるところです。

これらが私がミタ、福祉の現場で起こっていたこと。施設としては評判が高かった(当時)ところなのです。

皆さんはどう思われたでしょうか。

アンサーは皆さんにあずけます。ベスト、ベターな選択をする一助にしていただければ幸いです。



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プロフェッショナル

2013.04.13 16:57|あすかの小部屋
こんにちは。あすかの小部屋のコーナーをお届けします。

私は「プロフェッショナル~仕事の流儀」という某番組が好きでよくみています。
ご存知の方も多いかもしれませんね。

昔の話になりますが、これぞ、プロフェッショナル!という現場に居合わせたことがあります。

母が胃がんで長くないとわかって、緩和ケアがある病院に入院が決まって、打ち合わせもかねて、
挨拶に出向いた時のことです。

緩和ケア病棟の先生(医師)と数人の看護師の方がいらっしゃったのですが

「正直、がん、という病気は、何があるか、正直予測がつきません。すぐに亡くなる方もいれば
一年以上ここで過ごしていらっしゃる方もいます。まずそれをご理解いただきたい。
ここの病棟は二十四時間体制をとっており、いつでも身内の方は面会が可能です。
また、看護師は少人数ですが、みな優秀なスタッフですので、安心しておまかせになってください」

こう、先生は話してくれました。

母は無料の個室に入院することになり、無料なのに絨毯がしかれて、さながらホテルのような病室でおどろきました。
先生の言われた通り、スタッフの皆さんが一流であること、プロ意識を持っておられることは、すぐわかりました。

まず「接遇」です。かならずみなさん敬語で優しくにこやかに接しておられること。

たとえば、「大丈夫かねえ・・お風呂に、はいろっかー○○さん」ではなく

「体調はどうですか?お風呂に入れるかどうか、確認してみましょうか」


そしてベットのシーツ交換なども、手早く完璧にされます。

私も昔ベットメイクの仕事をアルバイトでしていたので、思わずみていたのですが、私の視線に気づいたらしく

「ああ、しわが少しでもよったらお体にさわりますから。綺麗にしないといけませんからね・・」

こう言われて、(悪いけど施設とは雲泥の違いだ)・・と思ったことを覚えています。

それから口腔ケア。お見舞いに来たいとこが、「ちゃんと乾燥しないようにリップクリームまで叔母さんぬってもらって・・。本当にいきとどいているのね。すごいね!」感心しきりでした。

母の体調の変化もきちんんと細かくチェックされ、些細な変化も身内に連絡していただけるので
本当に助かりました。


亡くなる前日に「血圧がずっとすこしさがりぎみなのが、気になりますが、今すぐどうこうではないと思います」
こう言われ、

亡くなるその日の朝、「血圧がまたやや下がってきています。念のためにお知らせしますね」
携帯にそのように連絡があり、気付けば朝の七時でした。

とりあえず身内に連絡をして病院に直行。ずっと細かく体調を教えていただけていたので、今回はもしやと思ったのです。

先生の話では、朝の段階で、明日があぶないのではないか、という話でしたが、ゆるやかにその後も血圧がさがり、お昼に家族と看護師さんに見守られて母は静かにをひきとりました。

早朝の電話のおかげで、佐賀在住の弟も間に合ったのです。

そして亡くなって落ち着いてから、一か月後くらいに病院から一通の手紙がきました。
母が早く亡くなったので、色々きがかりなことがあったのではないか、スタッフの対応はどうだったのか、
不適切なことはなかったかという内容のアンケートでした。

最後の最後まで、患者さんが人生の最終ステージを終えるにふさわしい環境をつくりたい、という熱意とまた
細やかな気遣い。

本当にプロフェッショナルな方々だったと思います。

病院の名前は「西福岡病院」です。



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介護の心得

2013.04.06 10:59|あすかの小部屋
ひさしぶりにあすかの小部屋のコーナーです。
今回は、もし介護をする立場になった場合についての心得について、お話をすすめていきたいと思います

介護問題は今、個人レベルでも社会的レベルでも大変な局面に来ています。

介護をするときについての注意点ですが、常に動機を大事にすることです

「人からよく思われたいとか、冷たい娘だと言われたくないとか、」そういう動機だと失敗することが
とても多いのです。

自分の力量でどこまでできるかを判断し、精一杯のことをする。

できることはできる、できないことはできない、と見極めることが大切です。

カウンセリングの実例ですが、若い娘さんだけが健常で、あと家族全員が病気という家庭がありました。

その子だけがひとり頑張って働いて、安いお給料で何とか家族を養っている状態でした。

「とにかく行政に相談しなさい、どこか施設などに入ってもらえないのか」
と尋ねると、「なかなか親が入ってくれない」と、肩を落とします。
それで「入ってもらいなさい。そうじゃないとあなたは立ち行かなくなる」と諭しました。

「あなたの状態は、みんな井戸に落ちた時にどうするかということだ。あなたも一緒になって井戸の中に入れば、みんなが死ぬことになる。井戸の外に出られる体力があるうちに、あなたがまず外にでなさい。出たうえで
家族にロープをおろしなさい」と話したのです。

介護施設をいたずらに避けるのは、預けるほうに、どこか姥捨て山だと負い目があるからかもしれません。

自分で施設を選び、行けるときにには行く。どちらも共倒れになることだけは回避しないといけないのです。

一生懸命面倒をみて、お世話するほうも疲れ切ってしまう。

介護者が「疲れた」と思うときは、まず、肉体を休め、癒すことからはじめなければいけません。

精神的にも追い詰められ「面倒をみるのにつかれた」と思ったときには、心よりも先に、肉体に、ものすごい疲労が蓄積されているのです。ですから、限界だと感じたら、デイケアやほかの家族などにお願いして、自分自身を休めることが必要です。

介護には「冷静な分析と理性」が必要なのです
自分のエナジーチャージをするのはお互いのためになるのです


_____________________________________________________________________________________

これはあるカウンセラーさんのお話です。

私ごとですが前にも書いたように介護経験があります。
母を在宅介護したいと思ったのは、よそ(病院や施設)のご飯を全然受け付けない母の身を案じたことからでした。まず体力を回復させてから、大変になったときに施設にお願いしよう、と思っていました。

確かに母は十キロ以上太って元気にはなりました。しかし、独りでみていましたので精神的にも肉体的にも負担はとても大きかったです。確かにデイケアもつかい、身内にお願いして休息もしていましたが「まだ、がんばれる、まだがんばれる」と思っているうちにやはりMAXに達してしまいました。

これから高齢化が進む時代です。私がおかれたその当時より格段に状況は変わってきていますが、もし介護する立場にたっても困らないように、最低限の心得は必要なのではないかと振り返って感じています。


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トトロ氏

Author:トトロ氏
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1968年六月生まれ
倉敷市出身、現在は福岡市在住。
妻(あすか)と娘たち(猫二匹)と暮らしています。
高齢者福祉にたずさわって十六年になります。
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